メガバンク勤務の私が銀行から転職する際に意識したキャリア構築の方法

megabankメガバンクで法人営業を2年経験したのち転職した私だが、転職活動では一部エージェントからは、希望していた「コンサル」「商社」は無理だと言われたものの、結局は上手く希望通り転職できた。

個人的には、下記のような転職エージェントは避けるべきと感じた。

・銀行出身者を見下しているエージェント
・ベンチャー求人を紹介してくる

銀行出身者を優遇して好条件求人のみ紹介してくれるエージェントはあるので、銀行はオワコンだから転職希望者もダメという対応をしてくるエージェントは絶対に信用しないほうがいい。

ちなみに、同僚の多くは「リクルートエージェント」など盲目的に利用している人が多く、妥協して転職している傾向があり、再度転職して年収が下がる者も多かったため、そこも踏まえて解説する。

銀行からの転職で絶対に活かすべきはネームバリュー

特に、元同僚の多くは下記の点を徹底できておらず、転職に失敗している傾向があった。

・微妙な企業に妥協して転職しない
・年収は必ずアップさせる

この点では、私の後に退職した同僚達と比較しても、上手くキャリア構築しながらの転職ができたと感じている。

私の場合は、メガバン入社後、法人営業メインでやっていましたが思うところあり、在職中に転職活動を進めて大手コンサルに転職した。

メーカーなど事業会社だけでなく、コンサルから商社まで色々な求人提案を受けましたが、感じた点としては下記だった。

・銀行出身は多業種で評価される
・コーポレート(管理)ポジション系のコンサルに入りやすい

メガバンク勤務と言っても営業で支社勤務だった私は、正直に言って「毎月のノルマ」に疲弊していたことから、いつまでも本社に戻れないのであれば、必要としてくれた大手コンサルに転職しようと思ったのは結果的に正解だった。

メガバンク出身という肩書は、転職活動時にも非常に効力を発揮するので、それをしっかりと活かしてくれるエージェントを必ず利用したほうが良い。

私の場合は、銀行出身と言うことで、現在のメーカーでも事業部のPL管理を任されていたり、社内コンサルのようなことを担当していて、問題のある事業部の再建案などを考えたりする仕事をしている。

この点では、使ったエージェントが、メガバンク出身と言う点を、経歴書・志望動機を使って上手くアピールする方法を考えてくれたり、上手く売り込みをかけてくれたりと上手く働きかけてくれたため、自分のキャリアを活かしつつ転職できた。

他のエージェントだと、銀行では営業をやっていたことしか見ずに、適当な営業求人を紹介されることが多く、全く私の今後のキャリアを考えてくれていないと言うのが伝わってきた。

銀行出身を活かした転職先

私がお勧めしたいのは、メーカーなどの実業をやっている会社で、財務や経営企画を担当するのが最もキャリアを殺さずに、むしろ自分の頑張り次第でキャリアアップにもつながる転職である。

私の場合は、事業部の担当する製品のPL管理と、社内コンサルです。コンサルと言うと、マッキンゼーとかボスコンあたりの戦略コンサルティングファームのやっていることを想像するかもしれませんが、そこまで体系だったものではなく、例えば人員計画だったり、営業方針を決めたり、製品の販売マーケティング戦略を考えるシンプルなものになる。

もちろん銀行にいたときは、そうした経験はないので、転職して来てから部署の研修とOJTで学んだ。会計などは、アビームなどのITコンサルティングファームで、会計系のシステム導入コンサルティングなどをやっているのとは訳が違うので、そこまで難しい話ではないが、それなりに他社でも通用するスキルと経験は詰めていると思う。

基本的に財務モデルをエクセルなどでサクッと作ったり、パワーポイントで資料を作ってプレゼンしたり、業務デューデリしたり、システム構築のサポートをしたりと幅広く取り組んでいる。基本的に、頭を使って考える仕事をしている。たまに工場の改善計画などを作るときは、クライアント=工場になるので、出張になったり軽く接待されたり、ある程度楽しみながら自分のペースで仕事ができている。

とはいえ、それなりに求められているバリューは高いので、日々丁度良いプレッシャーを感じながら仕事に取り組めている。銀行での勤務と比べて、働く意味が見出しやすい環境にはあるので、その点でも転職してよかったと思う。

銀行を辞めてメーカー転職して良かった理由
・自分だけで完結できるビジネスモデルの中で仕事ができる
・取り組む仕事が毎回違うのでインプットからアウトプットのペースが速い
・ノルマ管理(マイクロマネージメント)されず裁量が大きい

自分だけで完結できるビジネスモデルの中で仕事ができる

銀行で取り組む融資業務などは、銀行という組織に属していないと展開できないビジネスモデルだと思う。はっきり言って自分がいなくても、毎年採用している新卒、中途などなどいくらでも別の人が同じ仕事ができる。必要な知識も、もちろん基本的な財務知識は必要だが、それ以上に対人コミュニケーション能力、社内折衝が物をいうので、本当にその銀行限定で活躍するためのスキルのみしか身につかない。

しかし、現在の仕事の場合は、規模を落とせば個人でも展開できてしまうような仕事で、事業会社から外資系コンサルへの引き抜き、他業種での社内コンサル転職など、身に着けたスキル、経験が評価されやすい。つまり、銀行のように年功序列ではないので、自分次第でいくらでも成り上がれる。しかも、その方法が自分の経験値、スキル、プレゼン能力を上げることで近づくので、日々の仕事と自分の成長がリンクしやすいのでモチベーション高く取り組めている。

メガバンクに新卒で入社した理由

生保やメーカーなど同様にメガバンクの内定を取っていた段階では、下記のような気持ちから、メガバンクを選んだ。

・世間体がよいから
・親からの勧め
・サークルの先輩なども就職していたから
・とりあえずレールに乗っておけば大丈夫だと思った

結構曖昧な理由で就職を決めた。

実際のところ、就職後数年間は下積みとしてリテール営業や良くて法人営業だろうな、という覚悟はあった。

ただ、始まってしまえば何とかなるだろうとは思っていたが、実際はそんなに甘いものではなかった。

地獄のノルマ地獄

初めに課されたのは、預金集め、クレジットカード、投資信託だった。

私の支店の場合、この目標については確実にクリアしていく必要があり、出来ないと上司から恫喝された。

よくあったのは、別室に呼ばれて、数十分間に渡って人格否定、仕事ができなすぎ、代わりはいくらでもいるんだということを淡々と詰められた。この時点で多くの全国に散った同期の一部は銀行を去って行った。

融資ノルマ

こちらのノルマがメインだったが、年間目標に対して、月次での目標を割り出され、毎日朝の会議、夕礼で融資額目標への進捗率を発表させられることがきつかった。

基本的に、有力な企業は先輩に持って行かれているので、自分で開拓して行かないと全く融資額は増えない。

たまのファインプレイも稟議審査が通らなかったりして、貸したくても貸せないなど完全に詰んでしまう状況も珍しくなかった。

特に、毎月の返済額が意外と大きい企業を引き継ぎで回されたりして、対前年、対前期比での融資額の逆水増しがされたりした。

自分でしっかりとその企業のフォローに回れば、融資残高は残せたのだと思うが、そこまでの関係性を作るのも、善人引き継ぎ時にしっかりと行われていなかったりして、担当者と中々連絡がつかずリレーションをうまく築けなかった。

結果的に、全て自分の責任ではあるが、毎月のノルマの未達が大きすぎ、毎日スケープゴートにされる日々が続いた。

結果的に、鬱寸前の状態までは追い込まれなかったものの、今後何十年もやる価値はあるか疑問を感じるようになり、途中から切り替えて職場を脱出するための転職に舵を切った。

銀行マンの転職活動とエージェントについて

土日でもやっているエージェントも多く、電話相談したり、悩みを聞いてもらったり、自分の希望の職種の相談に乗ってもらったりした。

転職の相談だけでなく、現職での悩みも相談させてもらったりしてエージェントにはかなり助けられた。

元々新卒の時に挑戦してみたかった大手コンサルで求人募集があり、結果的に内定をもらえ、銀行を退職することができた。

銀行より他業種のほうが縛りが薄く自由

ノルマがある会社というと体育会な雰囲気があったり、達成していてもチームで達成しましょうといった助け合いの心を大事にさせられるのは嫌だった。

今の仕事の場合は、銀行ほどのノルマはないが、顧客からの満足度というのは常に求められるものの、自分の裁量が大きく、どんな提案をする時も、100パーセントの提案、成果を自分で求めながら取り組めている。

銀行と違って、基本的に個人プレーで仕事を進められるので、自分の役割も全うすることだけが優先されて、仕事さえしっかりやっておけば自由な雰囲気がある。

例えば、客先での仕事があれば別だが、オフィス出社はある程度自分でコントロールできて、午後からの出社もできたり、クライアントワークが無ければ服装も自由。

ブロジェクトベースで仕事をするので、仕事が終われば自由に有給も使える。

また、常に基本的には、融資しかしない銀行と違って、調査対象の会社やサービスが毎回変わるので、毎回ビジネスをビルドアップするトレーニングが詰めるので市場価値も上がっていると感じている。

要するに銀行よりも、自由な環境で、自分の能力も自由に伸ばせることもあり、ずっと銀行にいてストレスは感じてなんぼの中でスキルどうこうは二の次になるよりも、転職してよかったと純粋に思う。若いうちは良いが、銀行を続けていると銀行以外では働けなくなるし、仕事のやりがいを感じにくくなりながら精神を病む人生は避けたかった。

銀行から転職する時に気をつけたことと転職エージェント一覧

銀行からの転職時に気をつけたのは、転職を先延ばしにせず、現在の自分の市場価値で最大限の評価を転職先の企業から引き出すことだった。そのためにも、自分の市場価値をエージェントに相談することから始めた。

今の時点で応募できそうな企業はどこかエージェントに聞いたことで、これから応募できそうな会社、年収、職種が分かり、そこからどうするべきか考えた。

とはいえ、銀行出身でネームバリュー的にも負けない「職場環境の良い一流ホワイト企業」への転職を考えているのであれば、利用するエージェントは吟味するべきで、リクルートエージェントなどを取りあえず利用するのは転職を急かされたりしたので微妙だと感じた。

「銀行出身=営業希望」でひたすら求人紹介してくるエージェントもいたので、銀行からの転職に強いエージェントを確実に利用するのが重要だと感じた。

腕の良いエージェントに当たってからは、転職活動はスムーズで、希望の「職場環境の良い一流ホワイト企業」の求人を複数紹介して貰えて、余裕をもって転職を進めることができた。

下記に私が使ったエージェントを記載しておく。

【日系大手の管理部門、外資系求人の紹介が多い】
〇マイナビエージェント
メガバンク出身ということで、どのエージェントよりも優先的に対応してくれたうえ、メガバンに名前負けしない大手上場企業、外資系の求人を用意してくれた。

【代り映えしない上場企業の紹介が多い】
△リクルートエージェント
大手企業の紹介は多いが、若干転職を急かしてくる傾向があった。

【あまり役に立たなかった】
×JACリクルートメント
ベンチャーや子会社の求人が多く全く応募したい求人紹介がなく、転職を急かしてくる傾向が強い。

【利用しないほうがいい】
×ビズリーチ、キャリトレ、AMBI、エン転職、リクナビネクスト、マイナビ転職

ビズリーチはCMでハイキャリア向けの転職に強い印象を与えられたため、銀行からの転職でも利用したが連絡の来るエージェントの実力は低く、求人提案も的外れなものが多かった。特に、何人ものヘッドハンターという名の雑魚エージェントからアポ連絡が来るが、毎回オフィスに行く必要があり、銀行で勤務しながらの利用は厳しい。

キャリトレ、AMBIは20代でハイキャリアという広告をよく見ていたが、完全に微妙だった。というのも、キャリトレ、AMBIもビズリーチと同じく、ヘッドハンター(雑魚エージェント)からの連絡が多いだけで、殆どが若手を使いつぶしたいブラック企業の求人ばかりだった。

「上場大手」「外資系」求人が多いだけでなく、それぞれの業界の面接対策、志望動機の作成などもサポートしてくれた。さらに、メガバンクから転職しても名前負けしない大手企業の企画職、マーケ、財務系ポジションなどキャリアプランも提案してくれて、登録前に想定していたキャリアパス以外にも、銀行からの転職に十分な求人紹介を多数してくれた。

リクルートエージェントの場合は、メガバンク出身でも十分な大手企業の紹介はあったものの、営業姿勢がアグレッシブで、すぐに転職したいなら問題はないが、自分の場合はペースを握られている気がして微妙に感じた。JACについては、求人のレベル的に登録しなくてもよかったと感じた。

さらに銀行からの転職でもキャリアップできたと言えるレベルの求人紹介が多いだけでなく、そこに実際に転職できるようなサポートが充実していた。

いずれにしろ転職エージェントと話したことで、見えてきた今後のキャリアプランがあり、それにそってどう動いていくのが重要か気付けた点も大きかった。銀行からの転職を決意しなくても、外の世界の雰囲気、実情をしることは銀行でのキャリアを考えていく上で役に立っていたと思う。

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