実践したのは下記の2点でした。
・未経験OKのデータサイエンティスト求人を探す
・ゴリ押ししてくれる転職エージェントを見つける
統計学の勉強から始めましょうなどと「ぬるい」ことを言っているブログは多いですが、いくら勉強しても実践でしかデータサイエンティストで評価されるスキルは身につきません。
データサイエンティストと言っても基本的にはパッケージ化された統計ツールを使うだけで、パターン化された分析方法でデータ分析するだけなので、未経験OKの求人で転職して、用意された研修プログラムをこなすことが確実だと感じています。
未経験からデータサイエンティストとして求人紹介を受けられるのか?
私の場合は、アカデミックな「データサイエンティスト」ではなく、マーケティング出身でビジネスサイドで仮説を検証するためにデータ分析する「データサイエンティスト」として働いています。
同僚の多くは統計学で大学院を出ているようなタイプの人間も多い中、私のようにマーケッターとしてキャリアを積んでから、データサイエンティストとして転職してきた人材もいます。
ここでは、未経験からデータアナリスト、データサイエンティストの求人を見つけて転職するまでを、個人的な記録をまとめておきます。
データアナリストを目指すなら実践するべきこと
結論から言うと、データサイエンティストとして求人紹介を受けることは非常に難しく、未経験からだと不可能だと言えます。
ただし、私もそうだったのですが、まずはマーケティングとして中途採用してくれる求人で転職して、そこでデータマネジメントの経験を積むことで社内異動ができるパターンや、データサイエンティストとして求人紹介してもらえるケースがあります。
そのため、まず未経験からデータサイエンティストとして働こうとせず、マーケティング経験を積める求人で転職するのがいいです。
または、アカデミックに研究がしたいタイプであれば、統計学などを大学院で学ぶのが手っ取り早いので、かなり覚悟が要りますが、大学院を目指すのもいいと思います。
データサイエンティストの求人の探し方
データサイエンティストとしての募集をかけているのは、実質的にはコンサルやシンクタンク系の企業が多く、あまりビジネスサイドが重視させる事業会社では、募集がかかることはありません。
ただ、私のように実質的には未経験からデータサイエンティストを目指す場合であれば、求人を探す方法は一つで、マーケティング求人で転職する以外には、基本的には道はありません。
マーケティングでデータサイエンティストになれると考えるのは、殆どのマーケティング部門で、データ解析ができる人材が殆どいないことと、あまりマーケティングでデータを扱いと思う人材がいないことからです。
そのため、普通の会社のマーケティング部門に転職できれば、データ分析に興味があるなど、社内的にアピールしていく、またはマーケチームで資料作成する際には積極的に大きめの売上データなどを扱うようにして、部内にデータ管理に適性がある旨をアピールできればいいわけです。
私の場合は、そうしたアピールを続けてから、どんどん扱うデータが大きくなっていったため、部長と相談してエクセル以外のツールの購入(SQLなど)と研修への参加などさせてもらいながら、社内で唯一のデータサイエンティストポジションを手に入れました。
さらに部内にデータ管理部門を作ってもらい、責任者になるなどしたため、社外にもデータサイエンティストを名乗れるようになりました。
駆け出しのデータサイエンティストである私ですが、データサイエンティストという仕事内容を良く聞かれるので、私が使用しているツールの説明をメインに紹介したいと思います。
皆さんが少しでもデータ分析というマーケティング業務に興味を持っていただけるきっかけになれば幸いです。
ここでツールの説明をするのは、データサイエンティスト、マーケッターになるために事前にそのツールの使い方の習得が必要だからではありません。単にマーケッターになった後どんな仕事をするのかイメージしていただくためです。あくまで始めの課題は、営業から無事マーケッターというポジションを手に入れること。そのためには最適なエージェントとタッグを組んで転職活動したほうがいいです。
ここでは、マーケッターの1日のスケジュールを見ながらどんなシチュエーションでどんなツールを使うのか見ていきます。
09:00 出社
-12:00 プロモーションの提案内容の雛形を考えて、提案の根拠となるデータに必要な項目をまとめる(エクセル)
-13:00 ランチ タバコを吸ったり同僚とカフェに行ったりします
-15:00 午前中にまとめたフォーマットに沿ってデータの抽出をします(SQL)
-17:00 抽出したデータを統計分析します、ユーザーの行動分析など(R)
-19:00 プレゼン用資料にまとめてプロモーション案のバックアップ資料にする
19:30 帰社
マーケッターでデータサイエンティスト寄りの場合は、上記のようなスケジュールで動きます。マーケッターの場合、提案するプロモーションの原案があった上で、こういうプロモーションをするにはこういうデータが必要だ、恐らくユーザーはこういう動きをしているだろうと言う仮説の元にデータ分析をしています。
よくあるイメージにデータ分析する人はデータの整理だけしていれば良いというものがありますが、データ分析は何かを証明するための作業であることを忘れてはいけません。必ず成果物が何になるかということを考慮した上でデータ分析をスタートさせます。
基本的には、プレゼンを受ける側である、事業部長や社長といったポジションの人たちは、データ関連の専門用語は分かりませんので、基本的にはパワーポイントにまとめて発表することになります。
また、ただ単にデータを整理して見えてきた事実を並べるだけのプレゼン資料は、事業会社の場合は、殆ど資料としての価値はなく、データサイエンティストであっても仮説に基づいて、実行するべき施策の提案まで、社長に通す流れでプレゼンは進めます。
データアナライズで利用するツールについて
それでは、データアナリティクス専門のマーケッターの仕事内容がなんとなく分かった上で、各種ツールで私が一体何をしているのか説明したいと思います。ちなみに、偉そうに書いてますが、全部転職後の研修で覚えました。
基本的には、下記ツールを主に使いますが、事前に勉強しないで問題ないです。
・データ抽出のためのSQL、BI
・データ加工のためのR
・プレゼン用のTableau(タブロー)
マネジメントクラスになると、データ抽出前に、どのデータをどういったデータ構造で保存しておくかといったデータデザインの工程にも関わりますが、プレイヤーレベルの採用なら上記3つの工程に関わるだけです。
データアナリストと言っても、会社によって担当する責任範囲は違いますし、予算によってはエクセル、アクセスなどオフィス系ソフトしか使用できない場合もあります。
とはいえ、エクセルはデータサイエンティストに取って基本となるツールなので、もしも事前に対策しておきたいのであれば、今の会社でエクセルを使うときに、エクセルに詳しい人と認識されるくらい勉強する程度でしょうか。
エクセルなんて使っているの?と思うかもしれませんが、エクセルの凡庸生は半端ないです。まず中小規模の企業の顧客データ程度であれば、この後説明するツールは必要ありません。プレゼン用のパワポでさえエクセルで代用可能です。エクセルには実は統計分析の基本数式はしっかりと搭載していて、分散、標準偏差、線形分析なデータ量が多くなければ全てエクセルで完結させることも可能です。マーケッターの力量はエクセルで判断されるといっても過言ではないです。
SQLはデータ分析の元となるデータの抽出に用いるツールです。ビックデータというのは、文字通りデータが巨大で実際に用いる時にはデータベースから必要なデータだけ指定して抽出します。抽出の条件を指定するために用いるのがSQLでいかにスマートにデータ条件を指定するかがSQLの実力を左右します。プログラミングに分類されますが、日常業務程度の知識であれば研修すればすぐ使えるようになります。
統計処理に使うRは、SQLで抽出したデータからユーザーの行動分析などパターンをシミュレーションしてユーザー動向を科学的に分析する際に使います。統計知識ないと使いこなせないため、SQLよりも同じプログラミングでありながらも習得は難しいです。しかし、ある程度実践的な訓練を積めば使えるようになりました。
マーケッターがプレゼンする際に使用します。まずデータ分析の完成度はいくら高くても、プレゼンが駄目だとデータ分析は評価されません。そのため、いかに専門的な内容を分かりやすく伝えるか、工夫を凝らしてプレゼン資料を作成します。わかりやすいプレゼン資料は訓練すれば作れるようになります。
ツールの導入的な説明をしてきましたが、結局ツールはツールで何をするかという目的があって初めてツールは使い物になります。マーケッターの醍醐味は、自分でツールなどで作ったプロダクト(プロモーションなり企画なり)を、パワポなどプレゼン技術を使って相手に認めてもらうことです。営業と大きく違うのは、営業はプロダクトは会社から渡されて売らされますが、マーケッターはプロダクトを自分でデザインして売り込むことができる点です。
やっぱり自分で考えたものを売ったほうが楽しいですよね。少なくとも私はそう思います。マーケッターはそういう楽しみややり甲斐のある仕事です。そんなマーケッターの仕事に興味があれば、営業経験者も歓迎されやすい業界ですので是非チャレンジしてみてください。